お人好しの母は彼氏の連帯保証人に。借金を負い自己破産する事に

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母に新しい彼氏

私の両親は私が中学2年生の時に離婚しました。その際、子供4人(専門学校生・高1・中2・5歳)は母が引き取り、女手一つで育ててくれました。母は父からの援助を一切受け取らなかったため、とても裕福とは言えない生活でしたが、「食」だけは困らないようにと、毎日おいしい食事を作ってくれ、笑顔の絶えない家庭でした。

そんな母は私の自慢の母でした。中学生だった私も高校を卒業し、県外の国立大学に入学しました。入学金と学費は有り難いことに免除して頂き、大学生活は奨学金と居酒屋のアルバイト代でなんとか賄うことができました。ちょうどその頃でした。母に新しい彼氏ができたと知らせが来たのです。もともと離婚の原因も、母の不倫が原因だったのですが、その後も母に男性の影が途切れることはなく、その男性も離婚して何番目かの彼氏でした。

そのため、それ程驚くことでもなかったのですが、どうやら相手の男性は元々堅気の世界の方ではないようで、○○組子弟相談役と書かれた名刺を渡されたのを覚えています。「大丈夫かな…。」と不安もありましたが、実際にあってみると気さくな男性で、現在は足を洗っており、何より私の母校の恩師の兄弟とのことで、しばらく様子を見ていました。

羽振りが良く

しかし、その頃から母は突然居酒屋の営業や、なまこの通信販売を始めたり、母名義でそう安くはない車を購入したりと羽振りが良くなっていきました。車の購入の際は、「○○さんが車を買ってくれるっていうんだけど、ほら…○○さんカード作れないでしょ?あとでお金は振り込むっていうから、連帯保証人になってくれない?」と頼まれました。

後で考えれば母も私も馬鹿だったなと思うのですが、その時はなぜかそれ程怪しむこともなくサインをしてしまいました。その後、その「彼氏」は姿を消し、母は借金を背負うことになりました。もちろん支払えるはずもなく、連帯保証人である私に支払命令が来ましたが、当時社会人1年目だった私は何もわからず、母へ折り返し相談しました。母は弁護士を雇っており、債務整理中とのことで、私に来た支払命令にもとりあえず応じなくて良いとの返答でした。

給与差し押さえ

しかし、後日、裁判所からの出廷命令があり、母の言いつけ通り、その命令にも応じなかった私は、結局、職場に給与差し押さえの連絡がいくこととなってしまいました。職場の事務長に呼ばれ、事情を話した私は、ボーナスの前借りをさせてもらうことになり、とりあえずはその分の返済に充てることができました。

母は最終的に自己破産し、しばらく生活保護を受給し生活していました。母の借金で貯金は全て使い果たし、高校から借りていた奨学金や貸付金の返済で月5万引かれ、かと言ってクレジットカードは使用できないため、毎月給料日前には、銀行の残高が3桁以下になるぎりぎりの生活でした。ひどい時には、銀行の窓口で恥を忍んで残額の150円を引出したこともあります。

1500円で残り20日を

1500円で残り20日を過ごしたこともあります。そんな極貧の生活でしたが、「1円の大切さを知ることができた。」とか「お金をかけなくても自然の中で十分楽しめる。」とかそういった前向きな気持ちで決して心まで貧しい毎日を送っていたわけではありませんでした。皮肉な話ですが、きっと幼少から見続けた母の前向きな姿がそうさせたのだと思います。

人は誰しも2面性があり、それは長所と短所のように対のようでいて、一つながりの顔なのだと思います。聞けば、最も早く成人し自立した姉は、以前から母との間に金銭トラブルがあったようです。私たちが知らなかっただけで、「自慢の母」には、そんな一面もあったのです。それからというもの、母も心を入れ替え、知人や姉に借りた借金をこつこつと返済していますが、「虐待を受けた子供は高い確率で虐待をする親になる」という話を耳にしたことがあります――そんな私は現在、魔法のカードで作り上げた借金を返済中です。

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